Tribal Rug(トライバル ラグ)とは?@所沢市航空公園
Posted by tribe on 2015年10月19日
所沢市の航空公園近くのギャラリーformaさんにてこの秋初めての展示会を行います。
展示会に合わせて、3日間トライバルラグを織る人々、ラグやキリムの文様、道具としての機能性などについてお話をする機会にめぐまれました。
20(火)・24(土)・27(火)いずれも午後2時から1時間ほどを予定しています。
まず、20日はトライバルラグを織る『遊牧民』とその生活についてです。
☆遊牧民とは?
●西アジア・アラブ・アフリカ・シベリア・モンゴルなどの遊牧民の違い。
<羊・山羊・ラクダ・牛・トナカイなど家畜の違いによる遊牧民の生活>
西アジアの遊牧民研究者のひとり、松井健氏は遊牧民は「テントのような簡易式の住居に住み、一年の一定期間を家畜を中心とする牧畜による乳製品や毛などの牧畜生産物やその加工品によって生活の基盤をなしている人々」と定義しています。
一定の生産物を得るための牧畜には、去勢や搾乳などの技術が必要ですが、この技術を持ちながら7000年近く移動生活をしてきたのはどんな人達なのかを紹介します。
●牧畜 pastral 定住と半遊牧
●遊牧 nomad 移動しながら遊牧
☆遊牧民のなりわいとは?
狩猟と遊牧の世界の著者で日本における遊牧民研究の第一人者である梅棹忠夫氏は、西アジアの羊遊牧民について、羊を銀行に預けている資本(貯金)と乳製品や羊毛などの牧畜生産物を利子に喩えて遊牧民のなりわいを説明されています。
資本=家畜 (羊・山羊・ラクダ・牛)
利子=乳製品 Wool &Hair (羊・山羊)
例えばたくさん羊を飼っていても、常に食用にしていれば日々減っていってしまいます。乳製品や羊毛はしっかりと管理することで良質のものが持続的に入手できます。
遊牧民の仕事はいかに羊や家畜が健康でストレス無く生かしてゆけるかが大事なのかもしれません。
☆遊牧民の暮らす気候風土とは?
森林の少ない山岳地帯と乾いた高原地帯という、農耕に適さない風土で暮らすことを選んだ遊牧民はその地形と気候を取り込みながら、遊牧生活を営んできました。
夏に極めて少ない雨と冬の山岳地帯に降る雨と雪という気候の中、広大な土漠と点在すオアシスでの家畜の草を求めての、冬場の低地~夏場の高原へ春と秋の年に2回の大移動が基本な遊牧生活です。
☆定住出来ない生活(テント生活)から生まれた毛織物
言語の違う3つの遊牧民をその毛織物の特徴から紹介します。
現地の映像を見て頂きながらお話したいと思っています。
●トルコ語系の代表的な遊牧民
トルコのユリュック(遊牧民)・シャーセバン・カシュガイ・アフシャール・トルクメン・ウズベク・ウイグル等・・・。
●ペルシア語系の代表的な遊牧民
クルド・ルル/バフティヤリー・バルーチ等。
●アラビア語系の代表的な遊牧民
ハムサ・ベトウィーン・ベルベル等・・・。