本当は教えたくない海外オークション(マスターピースも入手可能!)

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Guide(ガイド) - 買い方

オークション、と聞くと通常は年に数回の大規模なものや、非常に限定された期間や範囲の中でのオークションをイメージする方が多いのではないでしょうか?絨毯やラグの場合、かなりの頻度でしかも様々な規模で行われます。
オンラインでのネットオークションももちろん凄まじい回転率で開催されているのですが、やはり絨毯界でオークションと言えば本懐はリアルなオークションです。アート業界と非常によく似た形で、すでに流通やオークション業界自体が世界的に洗練されているんですね。
今回はそんな、世界での絨毯 / ラグオークションの中でも教えるのが惜しいほど厳選されたオークションを紹介していきたいと思います。

世界各地では、ほぼ毎月のように絨毯やテキスタイル限定のオークションが開催されています。ここでは専門に勉強を重ね、実践で経験を積んだ鑑定人達が真摯に選別したアンティークの逸品が出展されます。以前は海外オークション情報と言えば『HALI』マガジンなどの定期購読の専門誌などでしか入手できませんでしたが、このところはインターネットで簡単にアクセスできるのでスマートフォンからでも簡単に入札に参加できるようになりました。
私をはじめ、ラグに目のない人種にとっては写真を見ているだけでも楽しく、時間を忘れてしまいそうな魅力ある掘り出し物が途切れることなく毎日更新されています。
特にこうしたオークションサイトは、オークションや扱う品そのものを楽しむ以外にも流れやメインストリームを把握するのに非常に役立ってくれる一面もあります。

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オーストリア ウィーン オークション2014

話題のオークションは価格高騰!

絨毯オークションは、有名な研究家やコレクターの集めた唯一無二のマスターピースや世界に数点しか存在しないモノが時々出品される場合と、一般のオークションの二通りがありますが、価格は世相や世界の経済状況によりかなりの変動があります。

ここ25年に渡り主な絨毯関係のオークションの価格を調べてきましたが、特に話題となったのは、トルクメン絨毯の研究と収集で知られるJON THOMPSON夫妻のコレクションが1993年12月16日のNYのサザビーズに出品された時です。このオークションはトルクメン絨毯を知りつくした研究者のコレクションということで格別に盛り上がりました。

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1993 sothbys NewYork オークションの図録

その後2001年あたりから欧米のアンティークラグマーケットも少しずつ落ち着き、2011年のリーマンショック以降は落札されないものや評価額(エスティメイト)にギリギリで落札されるものが増えているようです。

特に円高だった昨年あたりは海外からの購入のピークで、世界的に評価の高い絨毯・キリム・スザニなどのテキスタイルが最盛期の半額程度で購入出来るという前代未聞のチャンスでした。

実際に日本人でも鑑定目のある方は、世界のオークションやラグディーラーから評価の高いラグのコレクションをされています。
このところは、さすがに欧米経済も少し持ち直し、アベノミクスの効果の円安で価格も3割程上昇してしまいました。
しかし現在でも、1980年の黄金時代と比べたら3分の2程度に留まっているようですが。。。?

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オーストリア ウィーン オークション2014−2

トライバルラグの最高価格登場か!?世界のオークション事情

2014年9月15日~21日まで開催された国際じゅうたん会議ICOC13回(会場オーストリアのウィーンとハンガーのブタペスト)に合わせ、9月16日にウィーンで行われるウィーン・オリエンタルラグ・オークションは、ここ数年にない程の素晴らしい作品群が出品されました。
合わせて246点のラグ・カーペット・テキスタイル・コスチュームなどが出展されましたが、世界的な絨毯マニアの祭典(ICOC)に合わせたかのような目をみはるコレクションです。中でも出品番号#125のサロールメインカーペットはマニアにとってたまらないお宝アイテムと言えるでしょう。ここ25年程で初めてと行っていい希少なサロール絨毯に価格が付いたという事です。オークションのクレジットによればこの絨毯は1980年に先のJhonTompson氏らがキュレーションを行ったアメリカWasington D.C.の「テキスタイル美術館」で行われた『TURKMEN』に出展された幻のマニアにとってはたまらない絨毯です。

トルクメンの支族であるサロール族は最大派閥であるテケ支族に吸収されてしまったため、現在は部族自体もほとんど残っておらず、彼らの織った絨毯や袋物はたいへんに希少価値があります。ジュワルやトルバといった袋物は時々市場にでてくるものの、メインカーペットと呼ばれる敷物やエンシと呼ばれる壁掛け用ラグは幻の逸品としてトルクメンマニアだけでなく、投資家にとっても価値の下がる事のない『お宝』となっています。

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トルクメンサロール メインラグ

スタート価格は80,000ユーロ=約11.760.000円。見積もり額(エスティメイト)は約20,000,000円~27,000,000円トライバルラグに関してはこれまでの最高値になる可能性が大きいです。

これが最高にマニアが集まるICOCの開催されるウィーンの会場で、幾らまで競り上がるのか?または上がらないのか?最高にエキサイトなオークションになる事が予想されます。

この結果は後日レポートしたいと思っていますが、オークションは落札価格にオークション会社の手数料(約15%程度)と消費税+州税(地域によって異なりますが、ニューヨークの場合8.875%、ロンドンの場合20%など)送料1万円程度がかかります。
いずれにしても凄い金額になりそうです。

執筆者:榊 龍昭