カーペットは気持ちいい!? 羊毛の持つ快適性を知る

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Guide(ガイド) - 住まいと絨毯

今回はすこしまじめな話題です。
日本カーペット工業組合が出版している『新・カーペットは素晴しい』という小雑誌を知り合いの絨毯コレクターの方からいただきました。
サブタイトルは「カーペットの快適性を科学する」ですが、このところ注目されている「生活リテラシー」という考え方を反映してリライトされた、ガイドブックです。
このブログでも何度か紹介してきましたが、ハウスダストなどのホコリと絨毯の関係は長い間誤解されてきました。この本でもその辺りがわかりやすく、最新の国内外の検証データなども含めて紹介されています。

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新・カーペットはすばらしい

絨毯は無実!(アレルギーとの関係)

カーペット業界は、いわゆる「ダニ問題」と長年戦っています。ダニはもともとカーペットにいるわけではないにも関わらず、「カーペットはダニの温床」、「カーペットのダニが小児ぜんそくの原因」などと過去に何度も攻撃されたのです。
ここでも繰り返し紹介するのは、一般の消費者はもちろん、アレルギーの医師や専門家でさえもカーペット(絨毯)が、アレルギーを引き起こす大きな原因と長い間考えられているからです。
しかし、最新の様々な研究や調査から、ダニの最大の供給源はカーペットではなく、布団などの寝具にある事がわかってきてます。(西宮市環境衛生局の調査)=兵庫県

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ぜんそく発作と寝具中のダニとの相関

また平成年度に入ってからは「アトピー性皮膚炎」の原因として疑われました。ぜんそくと床材との相関関係についてもその因果関係の調査が進み、調査結果では絨毯などのカーペット床材よりも、コルクや塩ビタイルなどのの床材の方が有症率が高いという結果が出ています。これまでのイメージと違う結果が出ているようです。
つまり硬質の床材はハウスダストなどの細かいチリが空気中に常に舞い上がりやすいことが考えられます。

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寝室の床材とぜんそく有症率

海外でもやはり無実!

海外でもカーペットは”無実”の判定を受けています。
「カーペットがアレルギーを引き起こす」との疑いが上がったスウェーデンで実施された調査によると、教室がカーペット敷きの学校とそうでない学校とでは、カーペットを敷いていない方がアレルギー患者の割合が多かった、というデータがあります。この調査によれば、カーペット敷きの学校ではアレルギーの患者数が非カーペット敷きの学校の半分近いという驚くべき結果がでています。日本でもこのような調査を行って欲しいものですが、これも硬質床はホコリやチリが舞い上がり、日常生活を低い位置ですごす赤ちゃんや幼児がそれを吸引してしまうのが原因と考えられます。

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スウェーデンの学校の調査表

ホコリを取り込んで吸着させるカーペット

カーペットは「ホコリ」が心配だという意見を多く耳にします。確かに、フローリングなど硬質床材は水拭きなどでホコリを拭き取ることはできますが、人やペットが動くたびにすぐに空中に舞い上がってしまいます。掃除の際などにソファを動かすと、びっくりするほどホコリがたまっていたという経験をした人も多いでしょう。

一方カーペットはフローリングなどではできない「ホコリを取り込む」特性があります。カーペットを敷いていれば、ホコリはパイル繊維の内部に取り込まれ、室内に舞い上がるのを防いでくれ、さらに室内空気環境の改善に役立ちます。こまめな掃除でお部屋の空気はカーペット敷きのほ方がハウスダストが少なく空気が綺麗になるといことです。

このホコリを取り込む特性を生かし、デパートなどの貴金属売り場にはカーペットがよく敷かれたいるようです。これは売り場の高級感を出すためだけではなく、貴金属にホコリがつかないようにするためだそうです。

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歩行による室内空気の分析

上のグラフはカーペットが硬質の塩ビタイルと比べ、ホコリを取り込む能力が高いことが示されています。焼く50cm四方に1グラムのほこりがある場所を歩行したとき、塩ビタイルでは時間が経過するにつれてホコリが舞う量が増えていくのに対して、カーペット状で舞うホコリの量は少ない状態のままであるころがわかります。かなりの開きがあることが一目瞭然です。ここ20年ほど急激に増えたフローリング床でも同じことがいえるでしょう。

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キリムのある暮らし

さらに、良質な学習環境が成績をアップするという驚くべき調査もあるようです。
「カーペットを敷けば、学力向上につながる!?」という信じられない?調査結果がアメリカで出ているようです。

これは次回にご紹介したいと思っています。

日本カーペット工業組合出版のホームページから 「新・カーペットはすばらしい」 やそれ以外の敷物に関するPDFファイルを見る事ができます。

参考文献:日本カーペット工業組合 「新・カーペットはすばらしい」 宝塚大学大学院教授  加藤 力著

執筆者:T.Sakaki