〜寒さと衣服〜 文化学園服飾博物館で2月15日まで開催中です!

「寒さと衣服」展チラシ

Infomation(コト) - 展示会・イベント

寒さの続く東京ですが、この時期にタイムリーな『寒さと衣』という展示会を見に行ってきました。
会場は新宿南口からほど近い、文化学園服飾博物館です。
会期は今月15日までとなりましたが、さすがに文化服飾博物館のコレクションは見応があってお勧めの展示会です。

『寒さと衣服』

2017年12月19日(火)~2月15日(木)
寒さによる身体の冷えは私たちの健康に大きな影響を及ぼします。また寒さと一口に言っても、年間を通して雪や氷に覆われる厳寒の地域、四季の中で冬が寒い地域、一日の気温差が大きく夜間の冷え込みが厳しい地域などさまざまです。これらの地域の衣装は、永年の知恵によって素材や形態がそれぞれの寒さに対処できるよう工夫がなされています。本展ではアジア、ヨーロッパなど寒い地域の民族衣装を紹介し、その工夫を探ります。これらの衣装からは、私たちが冬を快適に過ごすヒントを見出すことができるでしょう。

シベリア少数民族の鮭の皮だけで出来たドレスには圧倒されました。それ以外にもアフガニスタンの脚絆、トナカイ皮のブーツ、トルコ、ブルガリアの靴下などなど、見応えのある展示会でした。

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表紙はパレスチナのドレスの一部

展示内容も素晴しかったのですが、会場で販売されていた「世界の服飾文様図鑑」は「密な調査、豊富な資料、わかりやすい分類」です。サブタイトルは「文様から世界文化が見えてくる」という壮大なものですが、そのタイトル通り、深淵な文様世界が丁寧に紹介されています。
まずは、日本で最もクオリティの高い服飾コレクションを所有する文化服飾博物館がほこる350点の豊富な図版の魅力にあるでしょう。
日本の伝統染織はもちろん、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、中南米と世界各地の民族衣装のなかから、代表的な文様世界が展開されています。

服飾文様を
1.人々の生活を彩る、ボタニカルモチーフ
2.共有する生き物たち、アニマルモチーフ
3.自然との共生をはかる、ナチュラルモチーフ
4.文様を読む、物語や思想を表す文様
5.身近なものに思いを託す、暮らしの中の文様
に分類しています。

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部族のアイデンティティーを表す文様

内容は詳しく紹介できませんが、豊富な写真をみるだけでも十分に楽しめます。

文頭に紹介されている「文様から世界の文化が見えてくる」というテーマに共感します。「はじめに」で述べられているメッセージを一部ですが紹介したいと思います。

科学が発達した今日、身の回りにおこる事象に神秘性が無くなり、グローバル化の進展によって、様々なモノやコトが標準化、画一化されています。
それは人々が文様によって表してきた地域や民族の特色や個人のアイデンティティー、個性が薄らぐことにも繋がってきます。

まさに同感です。

文様を掘り下げることで、見えてくる可能性と多様性に今後も注目してゆきたいと思っています。

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気高さ、美しさを表すバラの文様

参考文献:世界の服飾文様図鑑 文化学園服飾博物館 編者
 執筆 吉村 紅花 ・村上 佳代 ・植木淑子著

執筆者:T,Sakki