キリム・テキスタイルの「使い方お手本」の定番!!!2冊
Posted by tribe on 2015年3月22日
海外の映画やドラマを見ていると壁に掛けられた布や、アフリカのマスク、床に上手に使われているラグやキリムに目がいってしまいます。最近ではコマーシャルなどでもキリムクッションや何かしらの敷物が、居心地の良さそうな空間の演出として置かれているようになって来ていると感じます。
またここ1~2年でアパレル系のセレクトショップや気のきいたCaffeなどの装飾として驚く程ラグ(トライバル系)が使われるようになって来ているようです。ちなみに当店のラグも原宿のスターバックス表参道B-SIDE店(藤原ヒロシ氏デレクター)で使ってもらっています。また6月27日に公開予定の映画「ストレイヤーズ・クロニクル」の室内装飾にトライバルラグやボツワナのカゴ、ラジャスターンの壺などが登場する予定です。
ロンドンのThames&hudson社から出版されているインテリアとしてキリムやテキスタイルを楽しむ決定版の本を2冊を紹介します。
●LIVING WITH KILIMS・・・Alastar Hull&Nicholas Barnard共著 1988年初版
何度見ても見飽きないキリムのインテリアとしての実用例が床・壁・家具カバーなどのユニークな使い方を含めてふんだんに見せてくれる一冊です。おそらく実際のコレクターや愛好家のお家を訪ね、丹念に時間をかけてを撮影したのでしょう。素晴らしいカメラアングルの写真がたくさんなので、住い手の工夫が感じられ実際の使い方の参考になります。一枚一枚のキリムも素晴らしく、また使い方のセンスとアレンジの妙はさすがというしかありません。
1.床や外に敷いて楽しむ。
2.壁にかけて楽しむ。
3.テーブル等に掛けて楽しむ。
実際の使い方によって分類されています。
キリム以外の家具・絵画・調度品のどれもに見応えがあり、そのコーディネートも素敵です。何度も見るたびに新しい発見のある、室内装飾に興味のある人には必見の一冊です。
著者のAlastar Hull氏はのちに「Kilim conplete guide」というキリムについての総合書を出すほどのキリム通です。もちろんキリムの代表的な産地、幾つかの平織り技法、染料、簡単な文様の意味などキリムの入門書としても役割も詳しく解説されています。
ちなみにこの25年間で、何度も何度も繰り返し広げたのでボロボロになりすでに3冊目ですがそれもかなり痛んできました。キリムで言えばオールドクラスになっているかもしれません・・・。
「Living with Kilims」はamazon などでも購入可能で、中古版は40ドルくらいとリーズナブルです。
●Living With Decorative Textiles: Tribal Art from Africa, Asia and the Americas・・・Nicholas Barnard&James Merrel(photo)著 1989年初版
Living with Kilimsとほぼ時を同じくして出版された世界の民族染織品をインテリアにアレンジした実例集です。
世界各地の布の紹介とそれらをどのように楽しむかを,、余すところ無く美しい写真とともに紹介されています。キリムを床に敷いて壁には布をかける。単純なようですが、そこには住まう人ののセンスや教養など様々な情報が見て取れます。どの空間からも住まい手の個性が伝わってくるのは、いかにキリムや布を気に入りながら使っているという感覚です。もありキリムを熟知している事が伺いしれます。見る側も楽しくなり、そんな空間に自然と憧れてしまう感じでしょうか?
東南アジア・中央アジア・西アジア・アフリカ・中南米諸国など世界各地の布を紹介するページもあり、それぞれの地域や織物の特徴な織られる背景なども解説されています。エピソードも豊富でアフリカのテキスタイルやトライバルラグを収集家としても有名な画家のアンリ・マティスの部屋やコレクターとしての一面も紹介されています。
それにしても自国のものではない、世界各地の布やキリムをここまで使いなす室内装飾への探究心には驚かされます。
「Living with decorative textiles」こちらもamazonなどで見つかります。