ANDES&ZAGROS アンデスとザグロス@自由が丘大塚文庫

Posted by tribe on 2016年9月22日

アンデスとザグロス、大自然が生んだ異なる文化の手仕事

ブログの更新が長い間滞っておりました。久々の展示会のご案内です。会場は自由が丘の閑静な住宅地にある大塚文庫という一件家です。おとなりには「白日荘」と名づけられた犬類の研究者平岩米吉の自宅兼研究施設(犬舎)があります。自由が丘の一等地の一千坪という敷地に、狼、ジャッカル、狸、狐、朝鮮山猫、ハイエナ、麝香猫(ジャコウネコ)、栗鼠、シェパードほか日本犬などを飼育し、研究をされていたようです。地元ではオオカミ博士のオオカミ屋敷と呼ばれていたそうです。驚くべき都市伝説です。

今回は古い知人との共同企画ですが、同時期に自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムにて第8回展「アンデスの織物と中南米の衣装」が開催されています。
こちらの会期は11月12日までです。
開館時間/10:00〜17:00(入館は16:30まで)入館料/500円

*岩立フォークテキスタイルミュージアムは木・金・土(9月29/30/10月1)のみオープンなのでご注意ください!

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アンデスの先住民とザグロスの遊牧民

2016/ 9.29〜10.2  open 11:00~18:30 (最終日17時迄)

会場:東京都目黒区自由が丘3 丁目6-25  TEL:03-3718-4411
東急東横線・大井町線「自由が丘」徒歩約8分
★自由が丘公園を背にしてまっすぐ「止まれ」マークまでお進みください、閑静住宅地にあります。

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《開催にあたって》
ほぼ地球の反対側に位置するアンデスとザグロス、この二つの山脈に共通点はあるのでしょうか?南米とユーラシア大陸に位置する巨大な山岳地帯に住む人々は、言葉も風習もまるで違います。
そこには、世界を魅了する素晴しい手仕事の数々が存在しています。かたやインディオとよばれる先住民族、そしてもうひとつは乾燥地帯に暮らす遊牧民達が存在し、厳しい環境生き抜く知恵を磨いてきました。
二つの山脈とそこに暮らす人々に魅せられた二人のディーラーが、コアな織り物と手仕事が生まれる背景をワークショップと合わせてご案内します。

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世界の東西に位置するアンデス&ザグロス

ANDES

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プレ・インカ/チャンカイ文化期の手仕事

アンデス山脈とは、南米大陸の太平洋岸沿いを約8,000km に及び連なる世界最大の古期造山帯です。
紀元前約7,500 年ころ、ペルーの「プーナ」と呼ばれる高原地帯に暮らす遊牧の民が、アンデス文明の黎明期を築き脈々と伝えた中央アンデス先住民の祖先とされています。
古代アンデスの人々は、移動しながら日常に必要な紐や袋や網、衣服や装飾に至るまで、シンプルな道具だけで染織の技を磨いてきました。
太平洋岸砂漠地帯の遺跡から出土の、世界に先駆けて誇る数々の技法( 撚る・巻く・からげる・刺す・もじる・組む・結ぶ・織る)は紀元前のパラカス文化(B.C.600 ~B.C.100)の時代にはほぼ完成されていたと言われます。クスコを都とする小さな王国から「インカ帝国」と呼ばれる国家の形を成したのは15
世紀前半、それからたった100 年の間に山岳民族ケチュアは南はチリから北はコロンビア南部まで領土を拡大していきました。そして16 世紀、スペイン軍の到来により独自に築いたアンデス文明は終焉を迎えます。
インカ帝国拡大期、新領土支配に伴うケチュア族の集団移住政策で、プレ・インカから伝承の染織・工芸の技がまるで飛び火するかのように広がっていった形跡がみられます。今回の展示会では、中央アンデスから拡散していった染織の技や、インカの時代の染め織りの復活を試みるケチュア共同体の仕事の一部を中心にご紹介したいと思います。

ZAGROS

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ルル/バフティヤリー・カシュガイ族の手仕事

ザグロスはイラン~イラクの国境付近を南北に走る、長さ1600km、 幅240km の巨大山脈です。日本で比べると青森から山口まで、ほぼ本州と同じ長さのです。砂漠の果実として知られる「ザクロ」の産地として有名なことから、日本語のザクロの語源となったと言われています。
大山脈の中ほどには、紀元前1000 年前後に最盛期を迎えた世界最古の青銅器文明、ルリスターンが存在しています。
洗練された造形の人物や動物など神秘的で謎めいたフィギアは、トライバルラグに織り込まれたモチーフにも深い関係があります。
またイランを代表するルル/ バフティアリー族・カシュガイ族・クルド族など、遊牧民にとっても豊かな自然の恵みをもたらす山岳地帯です。
夏のイラン~イラクは激しい暑さで草は枯れ、灼熱の砂漠と化しますが、山頂付近の高原は夏の野営地として欠かせない「草」の生い茂る楽園です。 幾重の谷付近川や連なる峰々を越えて移動する遊牧民達の「聖地」がザグロスです。
今回の展示では山岳遊牧民にとって欠かせない、絨毯、キリム、ギャッベなどの敷物や大型のサドルバッグ、塩袋、穀物入れ袋、動物の荷紐などなど、生活の中から生まれた道具としての毛織物など、存在感に溢れる手仕事をご紹介します。

WorkShop  

【開催日 9/29(木) 9/30(金) 10/1(土)】

アンデスの組紐研究・第一人者の多田牧子さんと、インカやマヤの染織を伝承する先住部族の織り再現の佃由紀子さんにご協力いただきワークショップを開催します。

ワークショップについてのお問い合わせ ◆山本悦子 ebouon@triton.ocn.ne.jp(tel.03-3220-7686)

9/29(木)

佃由紀子・中村靖子

A ◆マヤ織り コースター
11:00~14:00(30 分休憩あり)
定員6名 ¥5,000
腰帯機でサンルーカストリマン村の蝶の文様を織りこむ刺繍のような片面縫取織技

B ◆ニャーウィアワパ 管状紐
14:30~17:00
定員6名 ¥5,000
丸組紐のような織りあがりの管状紐。経糸を移動させながら「目の文様」を織り出す高度な技法
A・Bともに 受付♦ 佃由紀子 koyun@kiu.biglobe.ne.jp

9/30(金)

C ◆ 四方耳&Ticlla コースター  ●講師:佃由紀子
11:00~14:00(30 分休憩あり)
定員10 名 ¥5,000
中南米の織りの基本である四方耳とアンデス唯一の経糸を切り替える経掛続き技法Ticlla
受付♦ 佃由紀子 koyun@kiu.biglobe.ne.jp

D ◆アンデス ビーズ織り紐  ●講師:佃由紀子
14:30 ~17:00
定員10 名 ¥5,000
4連糸綜絖で多彩な文様を織り出す紐織りクスコ郊外の女性の三つ編み髪飾り
C・Dともに 受付♦ 佃由紀子 koyun@kiu.biglobe.ne.jp

10/1(土)

E ◆アンデスの丸・角組紐  ●講師:多田 牧子
11:00~13:00(ミニ投石器ブレスレット)
定員10 名 ¥3,000
アンデスに伝わる投石器は、戦いや家畜の誘導の他、祭礼用組紐として美を競った技
受付♦多田 牧子 makiko@texte.co.jp

F ◆アンデスの平組・頭帯  ●講師:多田 牧子
13:30~17:00(平組ミニ・タピス)
定員10 名 ¥5,000
紀元前から主に王侯貴族の頭帯として発達してきた平の組紐技法
受付♦多田 牧子 makiko@texte.co.jp

アンデス■ Sierra y Seiva 山本悦子
〒166-0015 杉並区成田東5-35-15 #403 Tel.090-1760-1887
URL https://facebook.com/yamamotoekeko

ザグロス■ tribe 榊 龍昭 
〒204-0003 清瀬市野塩5-114-1 #101 Tel.090-9133-9842
tribesakaki@gmail.com URL//: tribe-log.com