『アジアの伝統染織と民族服飾』〜豊穣なる生活造形の世界〜 道明三保子著 トークイベントのお知らせ

Posted by tribe on 2021年6月11日

5月に新刊『アジアの伝統染織と民族服飾』〜豊穣なる生活造形の世界〜(あっぷる出版社)を発売された、道明三保子先生のオンラインセミナーが開催されます。
主催は数年前から共同で「民族染織のお話会」を行って来た『旅とテキスタイル』さんです。

代々木上原のhako galleryに道明先生をお招きし、ライブでzoom配信いたします。
会場参加も可能です。(18名)
今回は平日開催となっておりますが、リアルタイムでご覧になれなくてもアーカイブを配信いたします。
*感染症の都の要請の内容によっては、オンラインのみの開催となります。
変更の場合このブログやSNS等で発信しますのでご確認の方よろしくお願い致します。

旅とテキスタイル:facebookpage

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マーシュアラブの自由奔放なモチーフ

<スケジュール>
2021年6月23日(水)14:00〜15:30(予定)
zoomは13:40より入室いただけます。 会場は13:30より開場、受付いたします。

14:00〜15:10 トーク
15:10〜 (質疑応答)

参加費 1,800円(オンライン、会場参加とも)
申し込みはこちらから→peatix
https://peatix.com/event/1937482/view

<テーマ>
道明先生は長年、世界の染織・服飾文化の調査研究に携わり、文化学園大学、放送大学やその他の大学で教鞭を取られたほか、文化学園服飾博物館学芸室長なども務められました。
そのお仕事の集大成とも言えるのが、今回発売された『アジアの伝統染織と民族服飾』
〜豊穣なる生活造形の世界〜です。
それぞれの国、地域の伝統の手仕事、生活、衣装や装飾についてを幅広く網羅し、解説されています。
今回のオンラインセミナーでは、その膨大なコンテンツの中から、「西アジアの手仕事」にスポットを当ててお話しいただきます。
本の制作にあたって長年の研究を俯瞰して感じられたこと、本のカバーにもなっている、マーシュアラブの刺繍布とその湿原の民について、そして、現在紛争で厳しい情勢にあるパレスチナの美しい民族衣装についてなど、先生のフィールドワークによる資料を見ながらお話しいただきます。

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葦を束ねた独特な住居に暮らすマーシュアラブ

<表紙のマーシュアラブの刺繍について>

メソポタミア文明の末裔 マーシュアラブ(湿原に暮らすアラブ人)の手仕事
マーシュアラブとはイラク南部にかつて存在した世界最大規模の湿原に暮らす先住民族で、現地ではマアダンと呼ばれる、特殊な環境に適応してきた独特な文化と精神性を備えた人々です。イラクで独裁政治を行ったサダム・フセインによってこの地域の上流にダムが建設され、世界屈指といわれた湿原や多様な生物が暮らす干潟の多くが失われてしまいました。
その後は1970年〜のイランVSイラク戦争、1990年代の湾岸戦争、2003年はアメリカによるイラク戦争、そして現在においても混迷が続いています。
5000年にわたって湿原に暮らしてきたマアダンの人達(マーシュアラブ)は、あちこちに拡散し生活の場を失いました。そしてそれは現在も続いていることでしょう。

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湿原の葦を使った住居はメソポタミア時代から続く

世界最古の文明の発祥地、チグリス川とユーフラテス川が交わるこの地域はメソポタミア時代から続く暮らしが残されていた地域です。
湿原が失われる以前の豊かな暮らしを知るには、「湿原のアラブ人」ウィルフレッド セシジャー (著), 白須 英子 (翻訳), 酒井 啓子(解説)がお勧めです。
5000年近く続いて来たと想像できる、水牛の放牧と魚や水鳥などを狩猟採集するマアダンの暮らしぶりが丁寧すぎるほど綿密に記された、冒険記です。
*刺繍布については、次回紹介いたします。

<注意事項>

*申込後の、参加方法の変更は可能です。(キャンセル、払い戻しはできませんのでご了承ください)
*リアルタイムでご覧になれない方も、参加申し込みの方には全員に期間限定でアーカイブ配信のリンクをお送りします。
*会場参加の定員は18名です。

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現在は湿原が失われつつある

*zoomウェビナーによる配信です。あらかじめzoomのインストールをお願いいたします。
(スマートフォン、タブレット、PCで参加できますが、Wifi環境の良い場所でのご参加をお願いします)
開催の1週間前には、視聴用リンクをお送りいたします(前日にリマインダーもお送りします)。

<6月15日までの特別販売>

トークイベントにお申し込みの方に、書籍『アジアの伝統染織と民族服飾』を送料無料でお届けします。定価3,300円(税込)です。特典として<道明組紐オリジナル組紐柄入り付箋紙>をお付けします。
書籍ご希望の方は、冊数、送付先ご住所、お名前、ご連絡先を明記の上、メールで、kazzsugano@yahoo.co.jp にお申し込みください。
件名は「書籍希望」としてください。ゆうちょ銀行へのお振込となり、本の発送はお申し込みから数日かかります。
本の入手をお急ぎの方は、Amazonや楽天ブックスなどをご利用ください。

*お問い合わせは、kazzsugano@yahoo.co.jp までお願いします。

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道明三保子著『アジアの伝統染織と民族服飾』

<Profile>

道明三保子(ドウミョウ ミホコ)
1942年生まれ。文化学園大学名誉教授。東京大学文学部美術史学科卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。フランス政府給費生としてリヨン織物美術館で学ぶ。東京大学イラク・イラン学術調査に参加。世界各地で染織史、服飾史の調査研究を続け、文化学園服飾博物館で国内外の染織品の収集と展示を手がける。文化女子大学(現文化学園大学)教授、放送大学客員教授、文化学園服飾博物館学芸室長、国際染織学会(CIETA)日本代表委員、アジア民族造形学会理事、平山郁夫シルクロード美術館理事、大日本蚕糸会評議員などを歴任。蚕糸功績賞受賞。現在、道明組紐教処長。編著書に、『世界の伝統服飾』(文旦執筆、文化学園服飾博物館)、『アジアの風土と服飾文化』(共著、放送大学教育振興会)、『西アジア・中央アジアの民族服飾』(分担執筆、文化出版局)、『三井家のきもの』(分担執筆、文化出版局)、『すぐわかる産地別染め・織りの見わけ方』『すぐわかるきものの美』(監修、東京美術)などがある。

参考サイト: 「Iraq’s Marsh Arabs in the Garden of Eden」
wikipedia
マーシュアラブ tribe-log.com