「祈りと道具」展示会トークのお知らせ 2/9 (日) 14:00~
Posted by tribe on 2020年2月3日
展示会の会期中にcolonphon folk artの丸山さんと気楽な対談を行います。
内容は「文様や形に籠められた祈り」 2/9(日)14:00~
参加費:1000円(ドリンク付き) ※当日支払い
定 員:20名程 ※定員数になり次第受付終了
御予約:下記のメールアドレスまでメッセージにてご連絡ください。
アドレス:tribesakaki@gmail.com もしくは090 9133 9842 榊宛
トークの際、「マサラチャイ」もしくは「グリーンルイボスティー」のドリンクが付きますのでお選びください。
チャイ提供:火曜舎さん。
文様と形に表現されるものとは?
西アジアが専門の榊と西アフリカ滞在が長い丸山さんと、文様や形をテーマに話をします。
現在でもバローチスタン地方で遊牧を続けているバルーチ族やサハラ砂漠の勇敢な遊牧民トゥワレグ族の工芸品から、厳しい環境で暮らす人々の生活の「智慧」や「精神性」が込められた道具を紹介しつつ、その背景にある「信仰」・「宗教」・「美意識」についての違いや共通性についての話ができたらと思います。
また交易の民としての遊牧民の歴史から、情報や物資が地域や民族を越えて移動することでもたらされる「文化人類学的な」富についても触れられたらと思います。
有名な美術館に展示されている「絵画や彫刻」などの芸術作品と、無名の遊牧民が生活のために生み出された、「道具としての絨毯や装身具」を比較することで、「美」とは何かを考察できればと思います。
バルーチとコーカサスプレイヤーラグの共通点とは
今回展示する絨毯ですが、祈祷用絨毯は『お祈り』という、イスラム教の教義である宗教行為に欠かせないものとして、イスラム教徒の多く住む地域で大切に織り続けて来られた絨毯の一つの「形」です。
オリエント地域に現在残る数々の素晴らしい祈祷用絨毯のなかでも、特に評価の高いのが前回紹介したバルーチ族とカスピ海の西岸に古代から生活するコーカサス地方の人々です。
不思議な話ですが、この二つの地域や民族に共通するのは、どちらかといえば緩いイスラム教徒ということです。バローチ族の民俗に詳しい村山和之氏によれば、バローチ族は自らの部族の「法」は頑なに守るけれど、自爆テロなど「宗教」の為に殉教することは少ないそうです。コーカサス地方のアルメニアなどはアルメニア正教などのキリスト教的な信仰の為飲酒も許されています。
さて、どうしてそれほど厳格ではない、バルーチやコーカサス地方に素晴らしい祈祷用絨毯があるのか?
今回の展示会のテーマの一つです。トークの際に皆さんと考察できればと思っております。
コーカサスの祈祷用絨毯の有名なコレクションの紹介
コーカサスの祈祷用絨毯はどの地域においても美しい特色を持つことで知られています。
このコーカサスシルバン地域のMarasaliのものはその代表とも言えるものです。
Shirvan Marasali E.Helman コレクション
Marasaliの一つの特徴でもある黒字にボテ(ペーズリー)文様と中央部のジグザグモチーフが印象的でです。
これも同じShirvan地域のものですが、白地のフィールドを持つタイプとして分類されています。
また、中央のモチーフは尖ったエッジを持つ葉模様として、17~18世紀のDoraganカーペットなどとの関連性あげている研究者(Ian Bennett)もいます。