数年前に書き始めてそのままになっていた文章がありました。
現代社会における「ノマドワーカー」という新しい生き方について、本物の遊牧民(ノマド)との比較をしようとした時のものです。
今回のコロナ禍で圧倒的に増えた社会現象のひとつは、リモートワークではないでしょうか?
働き方や雇用について多くの著書のある常見陽平氏の文章を引用した内容ですが、コロナ後の社会に役立つ内容も含まれているので、現在と比較して紹介してみようと思います。前回のブログの「小商のすすめ」と重なる部分もあるので、その辺りも考察していただけたらと思います。
地方移住へのすすめ。
以前のブログ「ノマド=自由という幻想」を書いた頃は、まだまだ首都圏を離れて仕事を行うことが想像できにくかったと思います。なんだかんだ言っても組織にいる以上は出社しなければいけない。
また個人事業者でも打ち合わせなど、会社や外の商業施設などへ出かけて業務を行うことが当たり前と考えられていました。
ここ数ヶ月の社会の劇的な変化によって首都圏以外に住んでいても、リモートワークによってある程度の業務は可能になってきています。
時々は出社する必要があるかもしれませんが、その回数はコロナ禍以前に比べるとかなり減ったと思われます。
これまで地方への転勤や移住は、地方の会社で仕事をするという発想でしたが、コロナ禍後は地方に住んでいながら都会の会社で仕事をするという発想です。
今までは地方の会社に勤めるか、関わる仕事をするという発想だったので、都会と地方の会社では賃金にもそれなりの格差があったと思います。
仮に都会を離ても毎日の通勤や移動に多くの時間とコストが必要でしたが、リモートワークが可能であれば大きな時間的余裕ができます。
すでにニューヨークのエクゼクティブ達はマンハッタンの高層住宅を離て、郊外の人口密度の少ない自然環境の良い地域への移住が始まっているようです。
前回紹介した「ノマドという幻想」では常見氏が「地方で働く」ことの難しさについて、いくつかの疑問を呈していました。
●「都会でやっていけない人は、地方でやっていけない」ーその理由として地方には自由が少ないことを挙げています。
(地方は移動や情報など、あらゆる面で非効率ですし、物価が安いかもしれないけど賃金も安い。なにより人間関係が狭い。地方出身の人は分かると思うんですが、村社会での狭い人間関係は、自由とは程遠いと思うんです。
さらに、仕事も一からつくらなきゃいけないという場合もあります。自由を求めて会社を辞めて地方に行っても、現実は結構厳しいのです。)
今回のコロナ禍で起こったことは、地方で仕事を一から作るのではなく、今の仕事をそのままリモートなどで地方で行うという変化でした。
またある程度まとまった人達が地方へ移住することで、元々の地元の人達も地域の活性化を含め、ある程度受け入れる要素が生まれるつつあるのではないかと思います。
観光産業の減収や外国人の労働力が見込めないため、季節的な農作業の人手の減少もしばらくは続くと予想されます。今だからこそ他の地域からの人の流入は受け入れやすくなっていると考えられます。
リモート作業などのデスクワークと農作業のアルバイトなどをバランス良く取り入れることは、ストレス解消にも、また新鮮な農産物を自らの労働から得られる喜びも得られることでしょう。
そのあたりの仕組みは、NGO的な組織による持続可能な相互交流の仕組みを創造することが大切であり、そこが肝心な部分になると思われるので、人手不足に悩む、地方の役場、公共機関、大学などとの連携も重要かと思います。
長くなりましたが、既に様々なプロジェクトもスタートしています。その動きにも注目していきたいと思っています。
自然・コミニティ・個人の関係性
引用写真および資料:トイ人 「日本社会はどう変わるべきか」 広井 良典氏のインタヴュー 【後編】から
参考資料:鎮守の森コミニティ 代表 広井良典
参考サイト:「小商のすすめ」~コロナ禍の中で経済を動かすには~vol4. tribe-log.com
コロナ禍の中で経済を動かすには!持続可能な社会 その3 tribe-log.com
止まった資本主義? (自然の中の人間)アフターコロナを考える2. tribe-log.com
アフターコロナをどう考えるか? vol.1 tribe-log.com