祈りと道具

Posted by tribe on 2020年1月22日

久々のブログ更新となりますが、来月の展示会のお知らせです。

『祈りと道具』

会期:2月7日(金)〜2月11日 (日) 12:00~20:00 (11日は18:00まで)
会場:Eofm laboratory 
〒170-0005 東京都 豊島区南大塚2-37-11 ハイムセクオイア 102号 03-6902-2473
参加:colophon folk art/tribe/チャイ屋火曜舎(2/8.9.11日出店 各日20杯限定)

古来より人々の思いや願いは道具に託され、その土地で育まれた信仰や美意識が柄や形に表されています。
今回はtribeよりバルーチ&タイマニ族のプレイヤーラグ、クッションにもなる袋物。
colophon folk artよりトゥアレグのアクセサリー、西アフリカの各国の民具などをお持ちします。

祈りと道具という言葉は偶然に思い立ちましたが、考えてみると遊牧民の道具やアフリカ〜ユーラシア〜中南米などの先住民族の染織品や手仕事にはまさに「祈り」が込められたものばかりです。
その全容を紹介する知識も技量もありませんが、比較的わかりやすい祈りの造形を少しでも紹介できればと思います。

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祈りの造形

お祈り用絨毯(prayer rug)プレイヤーズラグはどこか力強く印象的です。
シンプルな凸型のものから、かなり緻密な曲線的なものまで、地域・民族・部族により大きさ造形もバリエーションに溢れています。
部族ではバルーチ族、地域ではコーカサス地方、この二つが世界が評価するプレイヤーズラグを織る人々です。
まずはバルーチ族系のプレイヤーラグですが、大きく二つのタイプに分けられそうです。その一つが凸型です。
わかりやすく聖地の方向を目指すシンプルな造形。塩袋と似た造形なので、関連性研究者があるかもしれないと言う研究者もおります。
ただし、このシンプルな凸形も部族によってそれぞれの特徴が表現されています。

prayerrug

左端のプレイヤーラグはアフガニスタン西部のタイムリー系バルーチのDokhtr-e-Qazi(ドフタレ・カジィ)と呼ばれているデザインです。
ドフタレ・カジィとは「裁判官の娘」と言う意味ですが、バルーチ族の古い物語のヒロインが織ったプレイヤーラグとして有名です。

*詳しくはリンクをご覧ください。

お祈り用ラグの使い方

またお祈り用のラグの使い方は、中央にひざまずき、上部の凸部分の両サイドに手を乗せて額を絨毯の凸部分のこすりつけます。
この絨毯は丁寧に手を置く部分に手の平がデザインされていますが、織り手のセンスと遊びゴゴロを感じます。
最初に誰が織ったのかはわかりませんが、意外と多く見られます。
敬虔なイスラム教とはお祈り用の絨毯をいつでも持ち運んで、どんな場所でも敷いてお祈りすると言われたりしますが、絨毯は重いので実際には布系の軽いものがポータブルです。
プレイヤーズラグの多くはテントや内の中で使うことが多いようです。またお客様が来ていてお祈りの時間になるとその内で一番高級なお祈り用絨毯を出すのが最高のおもてなしです。
そのために、手の込んで美しくセンスの良いプレイヤーラグが多く織られたとも考えられます。

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アフガニスタン西部のバルーチ族のプレイヤーラグ
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イラン東北地方ホラサーンバルーチ族

次回は世界のお祈り用絨毯をご紹介します。

トークイベント ★要予約 「文様や形に籠められた祈り」

tribe 榊 龍昭とcolophon folk art丸山有紀子による対談
2/9(日)14:00~
参加費:1000円(ドリンク付き) ※当日支払い
定 員:20名程 ※定員数になり次第受付終了
御予約:下記のメールアドレスまでメッセージにてご連絡ください。
アドレス:tribesakaki@gmail.com
その際、ドリンクを「マサラチャイ」もしくは「グリーンルイボスティー」の希望も一緒にご記入ください。

皆様のお越しをお待ちしています。