30年待ちで見ることができた!!! リアルなトライバルラグの本物の色
Posted by tribe on 2016年3月29日
昨年に引き続き上野の国立東京博物館でトライバルラグ&キリムが展示されています。
さくらの見ごろとはいきませんでしたが、昨年に引き続き展示会を訪れることができました。展示スペースは博物館を入って右手にあるアジア館地下1階のアジアの展示品エリアの一番奥です。少しわかりにくいですが、行き止まりなので静かにじっくりと見る事ができる場所になっています。
「西アジア遊牧民の染織品」の会期は4月10日(日)迄、残すところ2週間弱となりましたが、今週末が上野公園のさくらも見ごろかと思われます。テキスタイルやキリムのお好きなかたには、見逃せない展示です。
『遊牧民研究家、松島清江氏が1960年代から1980年代にかけて現地で収集したコレクションの中から展示する。パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコ、コーカサスなど27点で遊牧を営んだ部族が染め、織り、制作したハンドメイドの衣類や袋物、敷物などである。家畜の毛をつむいで作られた織物や刺繍など、各部族の特色ある色と文様の世界を紹介する。』
30年前の図録ではモノクロだったのキリムのリアルな色が見られる!
事前にどんなものが展示されているかは、東京博物館のサイトで把握していたのですが、そのなかにどうしても実物を見てみたいモノがありました。それらは、1985年に渋谷の松濤美術館で展示された部族の袋表皮ですが、当時の図録『中近東遊牧民の染織』に掲載された105点のトライバルラグのうち、カラーで掲載されているものは26点、残りの80点近い4分の3のキリムや袋物などが白黒印刷でした。
その図録ではキリムの命とも言える色彩バランスがほとんどわからなかったからです。今と比べるとカラー印刷がびっくりするほど高価だった時代なので、しょうがないとは思いますが、今回は写真では到底伝わらないリアルな毛織物のテクスチャーが間近で見られるのです。30年間待った甲斐がありました。
実物が見られるのを待ちわびていたシャーセバンスマック
1985年に開催された『中近東遊牧民の染織』の図録に掲載されている毛織物のうち、20数点は昨年展示されていましたが、実物を見たかったのは、シャーセバン族のスマック織りのマフラシュ(布団袋)のサイドパネルやマーシュアラブの刺繍布です。今回はこのあたりも出展されると、公式サイトに紹介されていたので楽しみでした。