『羊を育て、毛を紡ぎ、草木で染め、機で織る。』


一枚の布やラグが出来上がるまでの”すべて”の行程を自分たちで行う。
何年もかかる並大抵な作業ではありませんが、それこそが部族の「暮らし」の一部です。
ひとつひとつの結び目の間に完成までの物語があり、糸と糸の間にこめられた、織り手の思いが感じられます。
人間にとって何が一番大切なのか。トライバルラグを始めとするテキスタイルには、
その一端とすべてが美しい色彩や心地よい形で表現されているような気がします。

最新記事

2016’「部族の用と美」南部町Galleyたなか1890

この季節は地方での展示会が続きます。先週の新潟から秋深まる青森へ移動します。 10年以上にわたり、毎年続いているのが青森県南部町のGalleryたなかさんでの「部族の用と美」の展示会です。 このブログでも何度か紹介してき […]


新潟柏崎市風の座(くら)にて展示会が始まりました。

新潟県柏崎市郊外にあるギャラリー「風の座」にて展示会を行っています。風の座さんでは3回目の展示会となりますが、素晴しい環境のギャラリーです。 まわりは米どころ新潟の美味しいそうな「田んぼ」が広がり、日本らしい里山の風景に […]


トライバルラグは「民藝=Mingei」といえるのでしょうか?

このところアパレル系のブランドやスタイリッシュなセレクトショップなどで、民芸(MINGEI)がかなり支持を広げているようです。 特にスリップウェアーなどが人気のようですが、「用」と「美」を兼ね備た伝統的な手仕事が見直され […]


ザクロス遊牧民のトライバルラグに憧れて

絨毯関係の研究書で急に値上がりした本が「The nomadic people of Iran」というイランの遊牧民研究書だということを、だいぶ前にこのブログで紹介しました。当時のAmazon検索では、新品は6万円という価 […]


ザグロスに暮らす山岳遊牧民、ロル/バフティヤリー族の移動が凄すぎる!

辛いことがあったときなど『Grass』という映画の一コマを思い出すことがあります。今から90年前に撮影されたモノクロの無声映画で、シンプルにバフティヤリ−族の移動風景を撮ったものですが、繰り返し繰り返し見たくなるドキュメ […]


ANDES&ZAGROS アンデスとザグロス@自由が丘大塚文庫

アンデスとザグロス、大自然が生んだ異なる文化の手仕事 ブログの更新が長い間滞っておりました。久々の展示会のご案内です。会場は自由が丘の閑静な住宅地にある大塚文庫という一件家です。おとなりには「白日荘」と名づけられた犬類の […]


30年待ちで見ることができた!!! リアルなトライバルラグの本物の色

昨年に引き続き上野の国立東京博物館でトライバルラグ&キリムが展示されています。 さくらの見ごろとはいきませんでしたが、昨年に引き続き展示会を訪れることができました。展示スペースは博物館を入って右手にあるアジア館地 […]


オックスフォード大学で「絨毯学」を立ち上げたJon T.教授の本を読み解くには?

このブログでも何度も取り上げているJon Thompson教授の1983年に出版された『Carpet Magic』を斜め読みしながら、30年以上経った現在はトライバルラグを取り巻く状況はどうなっているのかを掘り下げてみた […]


最初で最後かもしれないキリム&スザニコレクションがすごすぎるドイツのオークション!

ここ数年で最も注目度の高いオークションが3月12日にドイツのヴィースバーデン (Wiesbaden) で行われました。1884年イングランドで創業したRippon-Boswellというオーククション会社の主催による第2回 […]


宇部のアフリカンギャラリーハパハパの最後を飾るキリム展

山口県の宇部市で20年にわたりアフリカンギャラリーとして、地元の人気を集めてきたギャラリーハパハパさんがついに閉店することになりました。「HAPAHAPA=ハパハパ」とはスワヒリ語で『ここ此処』という意味で、皆が気楽に集 […]